(#143)ENST

俺は乗らないライダー!
No Run ! Night-Rider!
長きにわたって儀式をやっていると
そりゃそうだ、こういうことが起きるよね
想像はしていたけれど、
対応するのはとても大変だったぜライダー!

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28日に行う予定だった、「儀式」を2日遅れでしようとしたが(風邪ひいてたんでね)、いざキーを回してもエンジンがかからない。そう。バッテリー上がりだ。泡食った。さあ、どうしよう。さあ、どうしよう。困った。

どうにも出来ない。まずは、バイク屋さんに行かないと。で、どこが一番近いんだ? あ、あそこにホンダのウィング店があったよな。電話してみよう。スマホで調べて。ええと、

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あ、あったあった。で、電話してみると「ああ、ホンダのバイクしか見られないんだよねぇ~」そりゃそうだ。一応聞いてみただけ。良かった、早まって行かなくて。ふー。さて、ということは、YAMAHAのバイクだとうげげ。あのOZの近くのあそこしかないじゃんかっ?! どわあああっ! またまたかなりの距離があるぞおおおっ?! どわああっ!

前に、YAMAHAのスクーター(50cc)の修理を頼んだ時にあそこまで曳いてったなぁ。とてつもなくめんどっちかったなぁ~。ああ。でもあの時は真夏だったけど、今回は春。寒くもないし、病み上がりだけど、行けるだろう。いってみよっと。てか、行くしかないしね。えっちらおっちら。えっちらおっちら。どわあああ。なんと、重い。850cc重い。190キロだけど重い。スクーターの比じゃねぇ。当たり前。しかも、重心が上にある。当たり前。ガソリン満タン。余計重い。

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これ、下り坂で跨がったりしたらどうなるんだろう。一応、バイクブーツを履いてきた。けど、これがまた歩きにくい。大体、バイクの為のものだしな。歩いてもかつかつ偉そうなだけだし。靴擦れして痛くなってきたし。で、ヘルメットも持ってきた。そう、万が一、すぐにでも直してもらえたら、乗って帰れるようにね。ふー。だもんで、この、下り坂になると、エンジンはかからないまでも、ヘルメットかぶって、またがって乗って惰性で進むなんてことはしちゃいけないのかしら? いや、免許持ってるよ。俺。乗らないつもりだけど、一応、運ぶってことの面倒くささを考えるとさ。のぼりは重いだろうし、平地であっても、近くを自転車の子供とかが通るのってスゲー怖いわけよ。すんげー怖いわけ。あ、たたた。なんて言って、ガッシャーンって倒したらとんでもないことになる。左側を歩いているし、自転車の老婆が割り込んできて、あっとっと、って右側にバイクを倒しちゃったら、車道の車にぶつかって、エライことになる。大事故だね。うん。それを避けるためにも、ほら、乗ってみたらいいんじゃないかな。でも、やんなかったけど。

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だいたい、エンジンがかかってない状態で、つまり駆動力がない状態で、走るのってすげー怖いよね。僕も乗りたてのころ、怖くて、早めにクラッチ握ってた時あったけど、今思えばすんげー危ないよね。自転車みたいな状態で惰性だけであの鉄の馬を走らせる、数メートルとはいえとても危険。それをやるのは止まるときにコケそうだもの。やめとこう。そう思ってやめました。

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しかし、それはそれでよかった。しかし、誰もが見ている。「あ、MTだ」「でも曳いてる」そういう顔をしている。恥ずかしい。まぁいいじゃないか。車が交差するとき、ああ邪魔だなぁ、このバイク。でもごめんね。これしか進めないの。とほほ。

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そして、一番の難関、上り坂の強烈な奴が来た。ああ。これは大変だ。少しの段差でもえっちらおっちらやっているのに、ずーっと登る坂。これ無理。いや、無理じゃない。行くしかない。頑張る俺。やるぜ。どりゃ。いや、待て。その前に、一度、といわず、二度ぐらい休もう。休憩しよう。ふー。あ、いかん、あぶない。スタンドちゃんとかけないとね。あれ、側溝に傾きすぎててなんだか怖い。でも、これしかない。いいよね。ああ、いいさ。休憩。ふー。腕がパンパンに張っている。これ、「すぐ直りますねー」なんて言われたら、逆に腕が動かなくて危ないのではなかろうか。乗って帰るの危険じゃなかろうか。仕方ない。でも、休みながら行こう。さて、レッツゴー。せーの、あ、重い。やっぱ、一度止まると重いね。

坂の途中で止まるのはやめたほうがよかったな。でも、苦しかったんだもの。よし、押して行こう。腰を入れて行こう。どりゃああああっ! よし、結構勢いがつくとなんとかなるもんだ。めちゃくちゃ息が上がるけど、仕方ない。頑張れ俺。どりゃあああ。あ、こういう時に限って、自転車の老婆がこっちへ。あ、なぜ来るの。こっちは曳いているのよ、バイクをしかも上り坂。なのに、俺にブレーキを使わせるのね。仕方ない。なぜなら相手は老婆なのだからあああああっ! ききき。ああ。止まった。止まってしまった。止まるしかなかった。残念。まだ坂はある。苦しい。腕が痛い。ぜいぜい言ってきた。仕方ない。でも、頑張ろう。よし、東映東京撮影所まで来たぞ。ここからあと少しだ、頑張れ。俺。ずおおお。歩道が狭い。バスの乗り場で老人がたむろしている。

ここをどいてくださいと言いながら行く。「何よ、もう」「こんな所をまったくぅ」と思い切り聞こえよがしの罵声を浴びながら歩道をゆく。だって、車道通るのは危ないっしょ。ごめんなさい。許されて。

ふー。ようやく着いた。お馴染みのYAMAHAの親子でやってるバイク屋さん。ふー。すいません。バッテリー上がりです。お願いしますー。

ああ。うちMT売ったことないんだよねぇ。へぇ、こんなんなってるんだぁ。え。ちょっとまって。そんな楽しまないでよ。え。シートどうやってとるの? あ、鍵使うの。へぇ。えええ。知らないのぉ。YAMAHAなのにー。んもー。カチャ。で、開けて、バッテリー入れてみたら。ああ、6ボルトしかないねぇ。普通13ボルトぐらいはあるんだけどねぇ。ああ、そうですか。何しろ買ってから半年以上乗ってなくて、それで年末年始に寒い中400キロだけ走りました。じゃ駄目だよね。あはは。そりゃそうだ。

いやあ、二週間毎なら大丈夫かなぁなんて思ってたけど、甘かった。今度からは、儀式が終わったら、バッテリーを外すことにするよ。なんだそりゃ。面倒臭いなぁ。乗ればいいじゃないか乗れば。いや、我慢します。だって、んもう。でも、バッテリー外した所で、12月までの間に、またバイク屋まで曳いていく事になるかもしれないんだぜ。ああ。仕方ない。それは仕方ない。だって、乗って「切符」を切られる危険よりはいいよ。早くまっさらな状態になって、乗りたいんだもの。楽しくバイクに乗りたいんだもの。それを12月からにしたいんだもの。嗚呼。ただそれだけを楽しみに生きている私なんだもの。ああ。ああ。ああ。

「預かりますねぇ。明日来てください」

つああああああっ! 折角バイクブーツできたのにー。メット被ってきたのにー。手袋持ってきたのにー。つあああああ。仕方ない。持って帰ろう。

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そして、帰りにオズのドトールでアイスコーヒーで休憩だ。もはや休憩をとるしかあるまい。今日はこの後は全て休憩で過ごすぞ、きしょーめ。ああ、くたびれた。大変だったぜ。セニョリータ。ごごご。ああ、すぐにSサイズのアイスコーヒーなんかなくなっちまう。仕方ない。帰ろう。む。待て。オズの向かいの31アイスクリームの店で、クレープ買うか。食べながら歩いて帰ろう。なぜなら、バイクを曳いていなかろうとも、歩いて帰るには、かなりの距離だからだ。面倒臭いからだ。歩く道中を少しでも楽しいモノにしよう。ふむ。

なるほど。春だからか、カップルが多いぜ。なんだよ、イチャイチャしやがって。俺だってイチャイチャしてぇぜ。きしょーめ。あ、クレープ出来た? オッケー。サンキュー。おっと、良い感じ。俺はストロベリーと生クリームのクレープで、アイスクリームが「ジャモカアーモンドファッジ」と「ラムレーズン」という俺の大好きなもの二つをコラボしたぜ。へっへっへ。あ、腕が痛いからか紙を剥きながら歩いていたら、あ。あ。ああああっ。べちゃ。

と、道に落としたぜ。あああああああああああああああああああああっ!
悲しい。とても悲しい。一口も食べていないのに。腕はそこまでへたっていたのか。子供が見てる。だが、俺はそれを拾い上げてこういった。

「これ、たべまーす!」

みんなが見てる。逆に注目を集めてみた。だって、このまま棄てるなんてリッチな生活なんか俺には無理だ。また買い直そうなんてガッツはない。お金もない。拾ったっていいじゃないか。確かにジャモカアーモンドファッジはコロンと転がり出てしまったよ。しかし、それ以外はアスファルトについていない。ならいいじゃないか。構いやしない。倅が見ていなければいい。親として恥ずかしい。まるでビットリオ・デシーカの「自転車泥棒」のような悲しい結末にはならぬよう。

よし。食べながら帰ろう。ああ、どんどん暗くなる。最初は汗だくだったのに、帰りは少し寒くなる。やはりTシャツだとそうなるよね。阿呆か、俺は。病み上がりなのに。ああ、ようやく家に着いた。額に塩が。汗だぜ。乾いたぜ。なんだこりゃ。ああ。なのに、熱帯魚水槽の様子がおかしい。外付けポンプが壊れている。ああ。もう面倒臭い。けど、ソイル全部とっかえよう。ああ。仕事が増えるーっ! 結局さっきまでそんなことをやっていましたとさ。とほほ。

まぁ、台本は午前中から午後の夕方にかけてかなり進んだからよしとしよう。ふー。

俺は乗らないライダー!
No Run ! Night-Rider!
バッテリーがあがるとは思わなかったぜ!
そして、曳くのはとても面倒だぜ!
バイク屋も「えええっ。あそこから来たのぉおお?!}
と驚いてくれたので、まあよしとするぜライダー!